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・国際毛髪外科学会(ISHRS)

パンチグラフトからマイクログラフトなった時点で急に植毛の人気が高くなってきました。アメリカでは1980年代の終りからヘア治療の学会も複数ありましたが、1993年に国際毛髪外科学会(ISHRS)が設立され大体一本化してきました。ISHRSは世界中の植毛医のほとんど(700名)がメンバーとなっています。
もちろんその中の主要なメンバーはアメリカ人医師ですが最近増減はあまりなくむしろアメリカ人以外のメンバーが増加しております。

植毛医の出身科目はやはり形成外科医と皮膚科医がメインとなっております。(アメリカではインターン制度の為皮膚科医もメスを持つことに抵抗がなく日本とは事情が違ってきます。ちなみに日本とEUの植毛医の大半は形成外科医です。)
 最近は植毛ビジネスに魅力を感じそれ以外の出身科目の医師の比率も増え学会構成員の大体3分の1に達しているようです。

 

・アメリカ毛髪外科専門医制度(ABHRS)

植毛の普及にともなう技術のレベルアップを目的として1996年に設立された団体で厳密な試験を行なって植毛専門医を認定しています。
 現在までこの試験をパスした植毛医は全員で131名でそのうちアメリカ、カナダ人以外の医師は19名にすぎません。私も2006年1月にチャレンジし幸いなことに合格させて頂きました。
 この時の体験を「テキサスで認定医の試験を受けたこと」という文章を形成外科関連の雑誌に投稿しました。興味のある方は一読下さい。

  ISHRS / http://www.ishrs.org
  ABHRS / http://www.abhrs.com

 

テキサスで認定医の試験を受けたこと

ヨコ美クリニック

今川 賢一郎

開業以来20年以上になり最近はいつのまにか頭髪治療の専門医になってしまいました。

  

 

省略

  

ただ植毛の場合どうしても国内で得られる知識だけでは不十分でそのため毎年数回めぼしいヘア関係の国際学会に出かけるのが習いになりました。

以前は学会中は観光に専念しておりましたが(笑)、海外の多くの植毛医達の熱心な姿が印象的でしたし、「植毛の学会なんて毎年同じような演題のくり返しだ」とも感じていたのですが、彼らに「毎年同じような内容でも毎年少しずつ小さな進歩がある。それが積み重なると大きな進歩になる。」と言われ、それはそうだとも感じある時期からはまじめに他人の演題も聞くようになりました。そのおかげで英語力がアップしたようにも思います。

アメリカ毛髪外科認定医(American Board of Hair Restoration surgery:ABHRS)が数年前から外国人にも門戸を開いており、海外の親しい友人にそそのかされたためもあり、それにトライしたいという気持ちが次第に大きくなりました。昨年思いきって受験を決意したわけですがABHRSの受験資格は厳格で過去に行った手術の実績のほかに、国際学会の出席回数、ワークショップの出席時間、生涯教育(CME)の出席時間, アメリカ心臓協会公認の一次、二次救急の講習会(BLS & ACLS)の出席の証明が義務付けられています。BLS とACLSは私にとってけっこうしんどいものでしたがとても有益で是非先生方にも受講をおすすめします。
さて受験の申し込みを昨年11月末に発送しましたが、試験の正式のアナウンスは試験日まじかの今年1月初めに届いて、あわてて飛行機とホテルの予約をしたのですが+会場のヒューストンへの直行便の予約がとれずアトランタ経由ということになりました。

ヒューストンと日本とでは14時間の時差があり、近いと考えたアトランタとヒューストンの間も1時間の時差があっていつものことですが米国の国土の大きさを実感しました。ヒューストンの飛行場に隣接するマリオットホテルが会場で到着翌日は一日中部屋にこもり30年ぶりの受験生気分を味わうことになりました。ただ夕方ホテルのバーの前でABHRS副会長のDr.Parsleyに出会い話し込んで一杯やっていると試験官達がそこに三々五々集まりテキサスビールによるちょっとしたパーティになってしまいました。

翌1月21日は7:30AMから午前中は3回の口頭試験で、一チームふたりの試験官は全員学会での顔見知りですが、始めにDr.Nusbaumらがフラップを受けた患者に扮して、次にDr.Elliottらが頭部瘢痕(乾癬?)をもつ患者に扮して、最後にDr.Cotterillらが女性の脱毛患者に扮しての質問に答え、特に皮膚科の知識についての質問にはけっこう苦戦しました。見渡してみると受験生は10名程度で3人の韓国人、1人のタイ人、イラン人、サウジの医師もいたようですが互いの会話は厳禁とされていたので詳しくは不明です。

昼食後は200題のマークシート方式による2時間半の筆記試験ですがなにせ出題数が多く、外国人は辞書の持ち込みも許可されているとはいえそれを使う時間的余裕もなく時差もあいまって最後はメロメロでした。結局午後6時までの長い受験日になってしまいました。

終了後受験仲間達と夕食となりましたが試験の話をするたび落ち込むことしきりで、その後一睡もできず翌朝未明の便で帰国した次第です。そのためヒューストンはホテル以外は全く土地勘0ということになりました。

合格認定証帰国後ABHRSのホームページをチェックしてみると現在まで100人程度が試験に合格しているがけっこう不合格のアメリカ人医師もいること、アメリカ、カナダ人以外の合格者は16名にすぎずそのほとんどがオーストラリア、イギリス、サウジなどの英語圏か米国留学組であることを知って合格はとても無理だろうと半ばあきらめておりましたが2月20日に合格通知を頂き大喜びした次第です。わたしのこのような体験が将来ABHRSの試験を受けてみようと考える先生がたの参考になれば幸いです。

我が国でも毛髪認定医制度発足の動きがあるようですが、米国の場合国際毛髪外科学会の初代会長Dr.StoughもABHRSの認定をもらう時に同じプロセスを義務づけられたと聞きます。我が国も植毛の認定医制度を立ち上げる動きがあるようですが、もしそうなら米国同様の公正さが必要だろうと考えております。

 

 

最近ホットな争点は

植毛の方法も学会で大いに論じられていますが現在ではFUTを採用しないクリニックはほとんどないようです。

ただFUだけで行うのか?FUTとその他の方法、たとえばもう少しミニグラフトを併用するのか?という点でのディベートはまだ盛んで結論は出ていません。

・スリットの方向は?縦か横か?

・one passは?

・FUEは?

の3つは特にトピックとして注目されています。

これについては毎月ホットな情報を掲載していくのでチェックしてください。

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