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39.ヘア治療の将来はどうなるか
克服すべき課題は多いが、画期的な薬物の開発、遺伝子治療、クローン技術の3つが、毛髪医学の進化のカギを握る―
「今川先生は植毛治療がこれからどのように発展していくと思われますか?」
私のクリニックのホームページには、最先端技術であるFUTに関する質問が集中する一方で、このように、日々進化を続ける植毛治療の将来の姿をたずねてくる方も多くいらっしゃいます。
基礎医学の発展で、当然、21世紀はさらに毛髪医学の技術革新が期待できると私は考えています。私が現在、想像している毛髪医学の進化のシナリオは以下のようなものです。
●画期的な薬物の開発
まず私が想像しているのは、ヘア治療のための画期的な薬物が開発されるのではないかということです。飲むだけでどんどん生えてくる効果バツグンの薬が開発されれば、植毛医の私などはお役御免ということになります。
ただどんなに優れた薬であっても、100%効果が期待できるということはないでしょう。
また、服用している最中には効果があっても、中止するとリバウンドが起こるということも考えられますし、長期間服用するうちに効果が落ちてしまうのでは意味がありません。画期的な薬物の開発に当たっては、これらの課題を克服する必要があると考えられます。
●遺伝子治療
遺伝子の研究が進んでいる現在、ハゲの遺伝子が特定されるかもしれません。いくつかあるヘア治療の将来のシナリオの中で、これが本命なのではないかと私は密かに思っています。
●クローン
現在の植毛治療は、ドナーを移植毛としてほかの場所に移している、つまり1:1の移動をしていることになります。しかし毛母細胞を培養して増殖させる技術が確立されれば、ドナーが少なくてすむため、植毛手術を受ける側のメリットは計り知れないほど大きくなるでしょう。実際に、毛母細胞の培養は米国でも研究が進められている将来有望な技術であり、私の受ける印象としては、クローン技術によるヘア治療が、一番早く実現可能になるような気もします。
ただ、この場合でも問題は残っています。たとえば毛母細胞が増殖する際、悪性化に結びつかないとは限りません。また、発毛したヘアの寿命がどのくらいになるかも大きなポイントになるでしょう。
克服すべき課題は決して少なくありませんが、毛髪科学の飛躍的な進歩により、この世からハゲの悩みがなくなる日が来るのを楽しみに待ちたいと思います。
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